自家用軽自動車を黒ナンバーにする事が可能だというのはご存じでしたか?
街でアルトやNBOXなどの自家用軽乗用車なのに黒ナンバーの車両を時々見かけます。
最も普通は気にもしない事だとは思いますが、軽貨物運送の業界に携わっている人は敏感に気づきます。
要するに黒ナンバーという事は同業の軽貨物運送業者だからです。
自家用軽乗用車で軽貨物運送業を行う為には構造変更して、黒ナンバーの取得をします。
構造変更車検と聞いただけで難しそうに感じるかも知れませんが結構単純な流れです。
上手く段取り出来れば一日で完了します。
その為にもこの記事を最後までご覧になってお役立て下さい。
自家用軽自動車を黒ナンバーに変更する流れ
①自家用軽自動車を貨物仕様に改造
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②ネットで構造変更車検の予約
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③運輸支局で貨物軽自動車運送事業の届出
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④軽自動車検査協会で構造変更の車検
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⑤軽自動車検査協会で黒ナンバー発行
★普通に4ナンバー車を黒ナンバーに変更するのと違うのは①②④で後は同じ手続きです。
①自家用軽自動車を貨物仕様に改造
アルトやNBOXなどの自家用軽乗用車を黒ナンバーにする為には貨物仕様に改造しなければなりません。
自家用軽乗用車で黒ナンバーを取得する為の要件を満たす為です。
✅ 貨物仕様に改造の仕方
しかし改造と言ってもエンジンのチューニングのような高度な技術を要するレベルではありません。
改造が必須である理由
・4ナンバーは荷物が主役
軽車両のナンバーは黄色ナンバーというのはご存じだと思いますが、その軽車両でも5ナンバーと4ナンバーの2種類が存在します。
軽貨物車は4ナンバーで軽乗用車は5ナンバーになっています。
その違いは、メインである目的が人か荷物という事です。
5ナンバーは自家用軽乗用車と呼ばれており、人が乗る事がメインで荷物の積載部分は脇役です。
一方4ナンバーは軽貨物車と呼ばれおり、荷物を運ぶことがメインでそれに乗る人が脇役になります。
黒ナンバー取得の為にはメインは人の乗車ではなく荷物を運ぶという目的にしなければなりません。
よって5ナンバー車をそのように改造する事が必須という事です。
貨物仕様に改造の仕方
軽貨物車としての条件はリアゲート幅80cm高さ60cm以上で荷物を乗せる場所が0.6㎡以上で、座席よりも荷物を乗せる場所の方が広い必要があるとされています。
わかりやすく説明すれば「リアシートを取り外す!」以上で完了です。
一部特殊車両以外はリアシートを取り外すだけで貨物仕様への改造完了という事です。
あとは主に書類による申請手続きです。
ローン中の車両の取り扱いについて
ローンで車両購入してまだ支払い中の場合はローン会社に承諾を得る必要があります。
ローン会社名義でも使用者が本人なら黒ナンバーにする事は可能ですが、それはローン会社の承諾を得ればの話です。
しかしながら新規で購入する時とは違い、途中からの場合は承諾を得られるのは難しいと思われます。
ローンの残額を清算するしかないかも知れません。
又、ローン中でも名義が自身になっていれば勝手に黒ナンバーにする事も売る事も可能ですが、その様な行為は認められていません。
トラブルにならない為にも承諾なしでは行わないようにしましょう。
②ネットで構造変更車検の予約
・車両整備
構造変更車検を受ける為にはネットでの予約が必須であり、当日突然訪問しても受ける事が出来ません。
運輸支局で貨物軽自動車運送事業の届出を出す日程に合わせて予約して下さい。
又、構造変更車検は軽貨物車仕様に改造していればそれでいいという訳ではありません。
例えばタイヤのミゾやブレーキパットなど通常の車検と同じく整備されていなければなりません。
普通に車検の通る状態であれば問題は無いという事です。
③運輸支局で貨物軽自動車運送事業の届出
ここでの手続きの意味は、軽貨物運送事業者としての登録を行うという事です。
・貨物軽自動車運送事業運賃料金表(正・控)
・事業用自動車等連絡書(2枚)
・車検証(コピー可)
この3点の書類作成と車検証のコピーを用意して運輸支局に提出します。
あらかじめ作成して物を持ち込みした方が早く手続きを終わらせることが出来ます。
書き方はそれ程難しいものではありませんが、どうしてもわからない場合は窓口で聞けは教えてもらえます。
但しその場合は時間が読めませんので、ネットでの構造変更車検の予約の時間に余裕を持たせるか後日にする事も検討して下さい。
★貨物軽自動車運送事業経営届出書
★貨物軽自動車運送事業運賃料金表
★事業用自動車等連絡書
★車検証
車検証はコピーでOKなのであらかじめコピーしたものを持参しましょう。
上記3種類の書類を(正・控)を記入し車検証のコピーも提出して下さい。
その場で控に印をもらえますので、今後何かと使いますので大事に保管しておいて下さい。
同時に事業用自動車等連絡書に印を押したものをもらいますので、それは軽自動車検査協会で使います。
軽自動車検査協会で必要な物
軽自動車検査協会に行くときに準備しなければならないものがあります。
✅ 必要な費用
✅ 準備した方がいいもの
忘れて二度手間にならないようにしましょう。
必須なもの
・納税証明
・ナンバープレート2枚
・事業用自動車等連絡書(運輸支局の経由印が押されているもの)
これは必須です。
しかしその車で軽自動車検査協会に行きますので実質は事業用自動車等連絡書のみを持参すればOKという事です。
必要な費用
・重量税 5200円
・検査手数料 1400円
但し自賠責保険は追加分の料金の支払い。
構造変更の車検を終了したらそこから数えて2年間有効になりますので、その差額分を支払うという事です。
自賠責保険は車検に合わせますので、例えば構造変更の車検をしなかったら後10ヶ月車検が残っている場合は24分の14の支払となります。
準備した方がいいもの
・最大積載量ステッカー
+ドライバーはその場で黄色ナンバーを外して黒ナンバーを付ける為です。
地域によってはドライバーを貸してくれます。
もう一つは最大積載量ステッカーです。
構造変更の車検を終えたら最大積載量を記載しなければなりません。
手書きでもOKですがカッコ悪いので最大積載量ステッカーは用意しましょう。
Amazonでも売ってます。
最大積載量は何kgなの?最大積載量計算方法
最大積載量の計算式はこの様になっていますが、当然車種によっても変わってきます。
車両総重量とは車の重さと荷物と人を乗せた合計が法的に問題ないとされるMAXの重さです。
例えばエブリィバンの場合は車両総重量1330、車両重量870なので
1330-(870+110)=350
よって最大積載量は350kgです。
車両総重量と車両重量は車検証に記載されています。
但し後部座席を外す事でその分、車両重量も変わります。
又、110kgという数字は乗員は1人55kgで2人で110kgという事で軽貨物は2人乗りの為、何も考えずに110で計算して下さい。
自家用軽乗用車でこの計算をすればだいたい100~250kgになります。
軽自動車検査協会での手続き
運輸支局で貨物軽自動車運送事業の届出がおわったら管轄の軽自動車検査協会で構造変更の車検を受けます。
✅ ⑤黒ナンバー発行
既に②でネット予約していると思いますので、その日時に合わせて伺います。
ここでいよいよ自家用軽自動車から軽貨物車両になります。
④構造変更の車検
②でネット予約していると思いますので、後は軽自動車検査協会の受付に行って指示に従って下さい。
〇検査受付
予約番号を言って書類のチェックを受けます。
〇車を待機
検査の車列が進むと検査官がやってきますので書類を渡したら車体番号と外観検査など簡単なチェックを行います。
〇検査ライン
検査ラインに入る時、初めての人は緊張するかもしれませんが流れと指示通りに進めば問題なく終わります。
⑤黒ナンバー発行
・黒ナンバー発行
構造変更の車検が終了したら受付に戻って自賠責、重量税を支払い黄色いナンバーを返納します。
そして車検証と黒ナンバープレートが発行されます。
プラスドライバーがあればナンバープレート取付が出来ます。
リアシートを取り外して構造変更の車検を取る事で、車検証は車体の形状がバンになって乗車定員も2人に変わります。
これで無事、軽貨物運送業として稼働する事が可能になりました。
自動車保険の手続き
軽乗用車から軽貨物車に変わって同時にナンバーも変わった事で自動車保険の手続きも行う必要があります。
この地点では自賠責も任意保険も前の黄色ナンバーの時のままだと思います。
✅ 任意保険の変更
自賠責はナンバー変更のみですが、任意保険は事業用に入らなければなりません。
自賠責保険の変更
・変更しないと業務に支障がある
構造変更車検で黒ナンバーになった事で自賠責保険のナンバープレートの変更をする必要があります。
自賠責保険は車にかけている保険の為、ナンバープレートの変更をしないままでも保険は有効です。
しかし軽貨物運送業として稼働する場合、提携先に自賠責や任意保険の提出が求められる事がほとんどですので、そのままだと支障も出てくる事が想定されます。
例えばウーバーイーツの登録の際にもこれが原因で審査否決されます。
変更方法は自賠責保険証に記載されている保険会社に電話して内容を説明すれば郵送で手続き出来ます。
尚、黒ナンバーでもその際に保険料の変更はありません。
任意保険の変更
・保険料が高い
任意保険は自賠責保険の様にそのまま、ナンバー変更で終了という訳にはいきません。
黒ナンバーの場合は事業用の任意保険にしか入れません。
これが非常に高い!特に1年目が!
軽貨物運送業として稼働する場合、提携先にほぼ確実に任意保険の写しの提出が求められます。
・保険会社が限定される
・事前に保険料がわかりにくい
普通に想像できると思いますが、事業車は車に乗っている時間が多いのでリスクが大きい、だから保険料が高い!
そして自動車保険を扱っている保険会社はたくさんありますが、事業用を取り扱っている所が実に少ない!
ニッチな部門だけあって公式サイトを見ても保険料がいくらなのか分からない!
ちなに保険料は初年度月15000円~25000円位になりますので、余計なオプションはつけないようにしましょう。
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まとめ
☒自家用軽自動車を貨物仕様に改造
黒ナンバーを取得する為の要件を満たす為、自家用軽自動車を貨物仕様に改造する
☒ネットで構造変更車検の予約
構造変更車検を受ける為にはネット予約が必須で普通に車検が通るように整備する
☒運輸支局で貨物軽自動車運送事業の届出
軽貨物運送事業者としての登録を行う為の手続き
☒軽自動車検査協会で必要な物
軽自動車検査協会でスムーズに手続きする為に必要なものを忘れずに!
☒軽自動車検査協会での手続き
ここで構造変更の車検と黒ナンバーの発行手続きを行います
☒自動車保険の手続き
自賠責保険は保険会社に連絡してナンバープレートの変更で終了
任意保険は事業用に入らなければならない
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