軽貨物運送業を始める為には、黒ナンバーを取得しなければなりません。
取得は誰にでも簡単に出来ます。
ちなみに私は軽貨物運送を始める前は黒ナンバーの存在すら知りませんでした。
・軽貨物運送の仕事を検討している方
車両を用意して運輸局で軽貨物運送業者としての手続きして、軽自動車検査協会で黒ナンバーを取得すれは事業者になれます。
しかし軽自動車なら何でも黒ナンバーに出来るという訳ではありません。
軽貨物運送を始めようとして車両を購入したけど黒ナンバーに出来なかった!
という事態にならないように基本的な事は把握しておきましょう。
軽貨物車両を用意する
軽貨物運送業ですから軽貨物車両が必要だという事は言うまでもないのですが、しかし軽自動車を持っていればどれでも黒ナンバーに出来るという訳ではありません。
まず軽貨物運送を始める前にこれは把握しておいた方がいいと思います。
✅ 購入の際の注意点
新車にするべきか中古にするべきか、という以前に購入の際の注意点があります。
軽貨物車両選び
・名義人
軽貨物を始める為には黒ナンバーにしなければなりません。
しかし軽車両なら何でも黒ナンバーに出来る訳ではないという事はご存じでしたか?私は知りませんでした。
黒ナンバーに出来る車両は軽車両の中でも限定的という事です。
まず4ナンバーの車でなければなりません。
この下記写真の赤枠の部分です。
定番で言えば、エブリイやハイゼットのバンや軽トラの幌車、パネル車などです。
同じエブリイやハイゼットでもワゴンタイプは5ナンバーなので、そのままの状態では黒ナンバーは取れません。
もちろんNBOXやスペーシアなどは5ナンバーなのでダメです。
そしてもう1つ大事な事は名義人です。
現在所有している車両が4ナンバーだとしてもローンで購入している場合は名義が信販会社になっていると思われます。
所有権留保というやつです。
その場合は残金一括清算して名義を自身にするか、信販会社に承諾をもらわなければなりません。
しかし基本的にこの場合は承諾を得られません。
5ナンバー車は黒ナンバーには出来ないのか?
ではNBOXやスペーシアでは黒ナンバーは取れないのか?
と言うと、おすすめはしませんが可能は可能です。
・最大積載重量が低い
・車両の価格が高い
車両の構造変更をして車検を取り直せば黒ナンバーにする事は出来ます。
しかしそれで軽貨物運送業が出来るか?って話です。
― 関連記事 ―
⇒【構造変更車検】自家用軽自動車を黒ナンバーにする方法
荷室が狭いし最大積載重量が100~200㎏程度になりますので、軽貨物配送として限定的な仕事しか出来ません。
Uber Eatsなどのデリバリー系しかやらないのなら問題はありません。
しかもその種の車は普通に200万位しますのでコスパ悪すぎです。
軽貨物運送業で200万使うのなら、配送単価の高い冷蔵・冷凍車を買った方がいいでしょう。
購入の際の注意点
軽貨物運送業を始める為に車両をローンで購入する場合は、その地点で黒ナンバーで使用する事を申し出て下さい。
要するに黒ナンバーで使用する事を前提に審査してもらうという事です。
これで審査が通った場合は当然、黒ナンバーで使用する事を承諾してくれます。
しかし間違いなく審査は厳しくなります。
・多めの頭金
・支払回数短め
黒ナンバーで使用する事を申し出るという人はこれから軽貨物運送業を始めるという事。
そういう人の審査を通すという事は、世間から見たら無職の人にお金を貸すのに近い状態です。
そして軽貨物運送業で使う車両ですので、走行距離も多く車が傷みますので10年ローンなど取り扱ってくれません。
長くても48回位までです。それに頭金を多めに要求されます。
かと言ってローンを通すために最初、黄色ナンバーで購入して後に黒ナンバーに変えようという考えは起こさないで下さい。
名義が信販会社の為、黒ナンバーに出来ず信販会社の承諾も得られず、何のために車をかったのか分からない状態になってしまいます。
実際に私の身近でそういう人がいましたで注意!
運輸局・軽自動車検査協会での手続き
軽車両が用意出来たら早速、黒ナンバーの取得をして開業の準備に進みましょう。
その為には運輸局に必要書類を提出して軽自動車検査協会で黒ナンバーを発行してもらいます。
✅ 軽自動車検査協会
この流れは朝から行動すれば1日で完了可能です。
運輸局
・貨物軽自動車運送事業運賃料金表(正・控)
・事業用自動車等連絡書(2枚)
・車検証(コピー可)
この3点の書類作成と車検証のコピーを用意して運輸局に提出します。
★貨物軽自動車運送事業経営届出書
★貨物軽自動車運送事業運賃料金表
★事業用自動車等連絡書
★車検証
車検証はコピーでOKなのであらかじめコピーしたものを持参しましょう。
これらの書類を(正・控)を記入し提出して下さい。
その場で控に印をもらえますので、今後何かと使いますので大事に保管しておいて下さい。
同時に事業用自動車等連絡書に印を押したものをもらいますので、それは軽自動車検査協会で使います。
軽自動車検査協会
・ナンバープレート2枚
・事業用自動車等連絡書(運輸支局の経由印が押されているもの)
これがそろっていれば車を持っていく必要はありません。
運輸局に行ったその足で車で軽自動車検査協会に行って着いてからドライバーを借りてナンバープレートを外すのもいいでしょう。
これで黒ナンバーをもらいその場でつければ、その地点で軽貨物運送業をスタート可能になります。
自動車保険に加入
当然、事業用の車両の自動車保険に加入しなければなりません。
自賠責は購入時に強制加入となりますが、任意保険を加入する必要があります。
✅ 貨物保険
仕事を取る時に任意保険や貨物保険の証券を要求される事がよくあります。
貨物保険は必要になった地点での加入しましょう。
任意保険
軽貨物運送業を稼働している人で任意保険に加入していない人はまずいません。
黒ナンバーでの任意保険は通常の乗用車での任意保険とは大きく違います。
そして現状使っている任意保険の等級の引継ぎは出来ません。
・年齢は関係ない
黒ナンバー任意保険に入ろうとして、まず思うのが高い!という事です。
同じクラスの乗用車と比べて3倍以上はします。
使用頻度が違うしリスクも高いからしょうがないといったところでしょう。
そして年齢での割引もありません。
保険内容で多少違いはありますが、初年度は車両保険なしでも月15000円位になりますが、3年位継続で8000円位まで下がります。
― 関連記事 ―
⇒ 軽貨物ドライバーが入るべき自動車任意保険の種類とその金額はいくら位?
⇒ 軽貨物ドライバーにおすすめの自動車任意保険!ネットで簡単見積り!
貨物保険
貨物保険は任意保険に特約で加えるものと、単独のものがあります。
何が違うかと言えば保障内容です。
軽貨物車両に積んでいる時に破損した場合のみとか、車両から荷物を運んでお客様に届けるまでとか色々条件があります。
しかし貨物保険に関しては必要になった時に加入するという考えでいいと思います。
自身で営業して直接仕事を取るような場合は当然必要になってきます。
税務署に届け出
個人業の開業をする訳ですから税務署に届け出をする必要があります。
直ちに出さなければならないという訳ではありませんが、出来る限り早めに!
・青色申告承認申請書
青色申告する気が無い人は青色申告承認申請書を出す必要はありませんが、控除額が大きいですので出来れば申請しましょう。
★個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)
⇒ 個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)ダウンロード
★所得税の青色申告承認申請書
直接持ち込みでもいいですが、いずれも郵送で出来ます。
軽貨物運送業開始
これでいよいよ軽貨物運送業を始められる状態にはなりましたが、どうやって仕事を取りますか?
という事になりますよね!
✅ 組織に所属する
自分で営業して案件を取れるのならそれが一番いいでしょうけど、この記事をここまで見ている人はその次元に達してはいないと思います。
スマホアプリ
ギグワークと言われる人たちは、スマホアプリで自分の都合で希望の日の希望の時間で仕事を取って行くという方法です。
有名どころではAmazonフレックスやPick Goなどです。
しかしこの選択肢は運送未経験者にはあまりおすすめしません。
・好きな案件を選べる
・入金が早い
どこかの専属になってしまうと休みが取れないなど、安定と引き換えに拘束されます。
しかしアプリ案件は時間と仕事内容を選ぶ事が可能な為、自分の都合に合わせて仕事が出来るのが魅力です。
そして事業主としてうれしいのは売上の入金が早いという事です。
・基本的に毎日違う所を走る
アプリ案件はイス取りゲームのようなもので、ドライバーはあなただけではなく、他にもたくさんいます。
そして取り合いになる為、仕事が無い日も十分にあり得ますので安定感は全くありません。
資金に余裕が無い状態で軽貨物運送業を始めてしまうとそうとう焦る事になるでしょう。
そして基本的に毎日違う所を走る事になる為、常にナビに頼る事になります。
全くの未経験で件数の多いAmazonフレックスをやるとパニックになるかも知れません。
組織に所属する
組織とは軽貨物運送業の派遣会社のようなものです。
運送未経験者にはまずはここからスタートする事をおすすめします。
その理由は経験を積むためです。
・基本的に毎日同じ所を走る
メリットはやはり必ず仕事があるので安定性はあります。
しかも配属された先の仕事が嫌な場合は配属先を変えてもらう事も可能です。
そして配属先では基本的に毎日同じ所を走るので日に日に配達スピードも上がって行きます。
・入金が遅い
配属会社は派遣会社のようなものですので、その会社の利益はピンハネです。
そのピンハネの相場は10~20%で高い上に、売上の入金も末締め翌々月末払いがほとんどです。
配送のキャリアを積んだら早く抜ける事を考える人も少なくありません。
そう思っているドライバーがたくさんいますので、そこをやめる前にそこで人脈を作っておきましょう。
まとめ
☒ 軽貨物車両
4ナンバーで自身の名義である事。
新規で購入する場合は無難にエブリイかハイゼットがおすすめ!
5ナンバーは構造変更する事で可能に!
― 関連記事 ―
⇒【構造変更車検】自家用軽自動車を黒ナンバーにする方法
☒ 運輸局・軽自動車検査協会での手続き
運輸局と軽自動車検査協会の2か所での手続きが必要だが、基本1日で出来る。
☒ 自動車保険に加入
とりあえず任意保険のみでだいたい大丈夫!
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⇒ 軽貨物ドライバーが入るべき自動車任意保険の種類とその金額はいくら位?
⇒ 軽貨物ドライバーにおすすめの自動車任意保険!ネットで簡単見積り!
☒ 税務署に届け出
稼働してからでもいいが、あまり先延ばしすると忘れるので早めに!
☒ 軽貨物運送業開始
どこかに所属するか、アプリで始めるか!