軽貨物配送業を始める手段の1つとしてスマホのマッチングアプリという物があり、宅配から専属便、スポット配送、フードデリバリーなど様々ものが存在します。
これらの特徴は荷主と軽貨物ドライバーをつなぐマッチングアプリで、自分の都合に合わせて日時を決められます。
軽貨物配送での本業からギグワークまで、とても便利なプラットフォームです。
私は今まで有名どころのスマホのマッチングアプリは、ひと通り利用して実務も経験しております。
実際に経験して初めてわかるメリットもデメリットもたくさんあります。
それらを理解した上でスマホのマッチングアプリで軽貨物配送業を始めるか、サブアイテムとして利用するかそれ以外の方法にするかの判断基準として頂ければ幸いです。
軽貨物配送のスマホの配送マッチングアプリとは?
スマホの配送マッチングアプリとは、その名の通りスマホで荷主と軽貨物ドライバーをつなぐプラットフォームです。
荷主にとっても軽貨物ドライバーにとってもメリットがあるサービスです。
✅ 主導権はプラットフォーム運営者
Amazonフレックス以外の配送マッチングアプリの運営者は運送会社ではなくIT企業です。
そこには間違いなく軽貨物配送会社のピンハネ事情をよく知る人物が関わっていると思われます。
荷主と軽貨物ドライバーをつなぐ
配達してくれる人を探している荷主と仕事を探している軽貨物ドライバーをスマホでマッチング出来るシステムですので荷主と軽貨物ドライバー双方にメリットがあります。
そういう背景から急速に普及したプラットフォームです。
★荷主は大手運送会社に依頼するより安く済ませたい!
★軽貨物ドライバーは軽貨物配送会社に所属しなくていいので取り分が大きくなる!
軽貨物配送会社に所属して働くよりも明らかに取り分が多い為か近年、軽貨物ドライバーの登録者が激増しています。
軽貨物ドライバーもプロですので報酬の高い所に流れるのはごく自然の現象と言えるでしょう。
主導権はプラットフォーム運営者
配送マッチングアプリというプラットフォームはとても便利ですが、それを利用するためには当然その運営者側で定めた規約に従わなければなりません。
プラットフォームは1つの国家のようなもので、国は治安を良くするために法律で縛ったり租税を増やすために税法を変えたりします。
それと同じく運営者はそのプラットフォームでの目的、利益を達成するために常に規約変更します。
規約変更する度に軽貨物ドライバー達は改悪だ!と騒いでいるのをSNSでよく見ますが、騒いでも何も変わりません。
配送マッチングアプリはプラットフォーム運営者の決定がすべてです。
そして軽貨物ドライバーの登録者の数が増えれば増えるほどその力が強くなって行きます。
軽貨物ドライバーとしての選択肢は、その条件でやるかやらないかの判断だけです。
配送マッチングアプリで軽貨物の仕事をするメリット
軽貨物配送未経験の頃は軽貨物配送会社に所属して仕事をする人が多いですが、ある程度慣れてくるとそこを辞めて配送マッチングアプリだけで生計を立てる人も増えて来ます。
慣れてくると軽貨物ドライバーとしてある程度やっていけるという自信、そしてやはり魅力は自由と報酬の違いです。
✅ 売上げの入金が早い
✅ 自分の都合に合わせて仕事を決められる
✅ セルフブラックOK
基本的な考えとしては個数単価制の宅配以外なら配送マッチングアプリで仕事した方が報酬が高くなる傾向があります。
公正な報酬を得られる
何をもって公正な報酬と定義するかは人それぞれですが、配送マッチングアプリで受ける仕事は間に入っていいるのはアプリ運営会社だけです。
よって軽貨物配送会社に所属して仕事をもらうのと違い、間に何社も仲介業者が入っていません。
それにより軽貨物ドライバーとしての取り分が多くなります。
その為、初心者が軽貨物ドライバーを始めてある程度やっていける自信がついた人が軽貨物配送会社の所属を解除して参入してきます。
テレビ局所属のアナウンサーがフリーアナウンサーになる様なものです。
やはり報酬の高いところに人が流れるのは市場のの原理です。
売上げの入金が早い
配送マッチングアプリの特徴は軽貨物配送会社に所属するのと対照的にとにかく報酬の入金が早い事です。
プラットフォームによって違いはありますが早いもので即日入金、遅いものでも2週間以内です。
軽貨物配送業は入金サイクルが遅い!という業界の常識を配送マッチングアプリが覆したと言えるでしょう。
とにかく入金が早いのは軽貨物ドライバーにとってはありがたい事です。
自分の都合に合わせて仕事を決められる
自分の都合に合わせる事が出来るので副業・兼業に最適です。
本来の本業があって収入の不足分を補う為に配送マッチングアプリを使って軽貨物配送をやる人もいると思います。
その際も本業を中心にスケジュールを立てて空いた時間に仕事を入れるなど、あくまで自分の都合に合わせて受注する事が可能です。
通常は軽貨物配送会社に所属して仕事をしている人でもその仕事が終わってからや、休日に仕事を入れてる人もいます。
もちろん配送マッチングアプリを複数登録して、それを上手く組み合わせてメインの仕事として稼働する事も出来ます。
例えは朝からAmazonフレックスをやって夕方からフードデリバリーをやるなどです。
セルフブラックOK
働き方改革で無理な残業をさせられる事がなくなって喜んでいる人もいると思いますが、逆に残業したくても出来ない!と嘆いている人も少なくはないでしょう。
なぜなら残業代ありきの給料で生活がギリギリの人もたくさんいるからです。
そういうサラリーマンと違い軽貨物配送は個人事業主のため良くも悪くも労働基準法を完全に無視できます。
しかもすべては自分の意志で仕事を入れる事が出来ますので、自身の疲労度合いで入れないという選択も可能です。
なかには全く休みなしで毎日長時間稼働している人もいます。
私的には全く休みを取らないで稼動するなんて考えられない事ですが、いざとなればその様な力技も可能な環境と言う事です。
配送マッチングアプリで軽貨物の仕事をするデメリット
何事もメリットだけではなくデメリット存在するもので、配送マッチングアプリを利用するにあたっても当然の様にデメリットもあります。
それは仕事の不安定さや受注争奪戦など面倒な事も普通にあるという事です。
✅ 常にスマホとにらめっこになる
✅ 実績が重要になる
✅ 規約変更が頻繁にある
✅ アカウント停止のリスク
デメリット部分が不安で配送マッチングアプリをメインにするか躊躇している人は、現在の本業の休みの日に試しで入れてみて様子を見てからの判断するのもいいでしょう。
毎日仕事があるとは限らない
名称通り配送マッチングアプリですので、マッチングされないと仕事が受注出来ません。
よって軽貨物配送会社に所属している人のように必ず毎日仕事があるとは限らないという事です。
具体的にAmazonフレックス、PickGo、Uber Eatsを例に解説します。
Amazonフレックス
AmazonフレックスはマッチングではなくAmazonフレックス側で登録者にオファーを表示して、その中から軽貨物ドライバーが選ぶシステムです。
このオファーの表示数は登録者のアカウントごとに違います。
ここに表示されているものからしか選択できません。
逆に表示されているものを選択すればその仕事は確実に受注出来ます。
仮に表示されていたとしても拠点のセンターが遠い場合や、稼働したい時間帯が合わない場合など自分の都合のよいものばかり表示される訳ではありません。
ある程度の妥協が必要になります。
PickGo
PickGoは荷主のオファー案件が一覧表で表示されていて、その中から軽貨物ドライバーがエントリーしてどのドライバーにするかは荷主が決めます。
よってエントリー=受注ではなく荷主から選ばれなければなりません。
PickGoのシステム上、複数エントリーする事が可能でどれかがマッチングした場合、時間の被るエントリーは自動で解除されます。
しかし問題は1オファーに対してのエントリーの数がとても多く圧倒的に落選が多くなります。
このアプリのポイントは荷主に選ばれるという点です。
落選の場合はメールが届きます。
落選疲れしないメンタルが必要になります。
Uber Eats
フードデリバリー代表格のUber Eatsの配達はUber Driverアプリで稼動し、配達リクエストはすべてAIが決めます。
Uber Driverアプリで出発ボタンを押したら後は配達リクエストが来るまで待機です。
最低条件としてはUber Eatsで料理を頼むお客さんがいないと配達リクエストに繋がりません。
仮に料理を頼むお客さんがいても次の問題点は、とにかく配達員が多いのでAIが自分を選んでくれるとは限らないという事です。
AIに好かれるための対策が必要になります。
常にスマホとにらめっこになる
配送業なのに配送以外の仕事もあります。
それは常にアプリをチェックして自分から仕事を取る為の行動を取るというのも仕事です。
週の初めに一週間のスケジュールを一気に埋めるなど中々、自分の都合のいいようには行きません。
よって常にスマホでアプリを見るのが日常化されて行きます。
翌日以降のスケジュール空白の日を埋める為に仕事中の合間にアプリを見る事も多くなるでしょう。
例えば明日の午前中は仕事が入っているけど午後が空白とか、その逆とかのケースも普通にあります。
仕事を受注する為の行為そのものが結構大変です。
実績が重要になる
マッチングアプリも実績は重要で仕事が受注出来るか否かを左右するくらい重要です。
中には全く実績など関係ないものもありますが、メジャーな配送マッチングアプリではかなり関係してきます。
具体的にAmazonフレックス、PickGo、Uber Eatsを例に解説します。
Amazonフレックス
AmazonフレックスはマッチングではなくAmazonフレックス側でオファーを表示して、その中から軽貨物ドライバーが選ぶシステムです。
このオファーの表示数はアカウントごとに違います。
ここに表示されているものからしか選択できませんが、問題はその表示数です。
まさに実績が大きく影響し、オファーの表示数が1件~数十件を幅があります。
毎日の様に稼働しているアカウントはたくさん表示されて、月数回しか稼働しない人は表示数が確実に減ります。
又、ある程度の基準まで達した人には優先オフォーという物があります。
PickGo
・荷主がドライバーを選ぶ
PickGoは荷主のオファー案件が一覧表で表示されていて、その中から軽貨物ドライバーがエントリーしてどのドライバーにするかは荷主が決めます。
よってエントリー=受注ではなく荷主から選ばれなければなりません。
PickGoにはスコア制と言うものがあり一定のスコアに達していないと、おいしい仕事にエントリーすら出来ません。
例えば東京から大阪までの配達で15万円の報酬とかです。
そのスコアは割の合わないような仕事をたくさんやると上がる様なシステムになっています。
それが面倒くさいとの理由でPickGoを撤退する人も少なくありません。
又、エントリーしたドライバーから荷主が選ぶシステムになっています。
荷主の立場になればわかると思いますが一回その仕事を経験している人が有利になります。
毎回違う人だと、毎回教える手間がかかるからです。
Uber Eats
フードデリバリーのUber Eatsの配達はUber Driverアプリで稼動し、配達リクエストはすべてAIが決めます。
Uber Driverアプリで出発ボタンを押したら後は配達リクエストが来るまで待機です。
この配達リクエストがどれぐらい来るかはやはり実績で差が出てきます。
配達リクエストはAIが決めるのですが、蓄積された配達員のデータを元に優先順位が決められると考えられます。
「考えられます」というあいまいな表現をする理由はUber側で優先順位について公開していないからです。
あくまで憶測、推測ですが実践で検証してますので概ね信頼性は高いハズです。
― 関連記事 ―
⇒ AIによるUber Eatsの配達リクエストの優先順位を決めるアルゴリズムを検証
規約変更が頻繁にある
主導権はプラットフォームの運営者ですので頻繁にある規約変更に従うしか方法はありません。
問題はその内容次第だと思いますが、今のところ大きな規約変更が少ないのはAmazonフレックスです。
PickGoは結構な頻度で規約変更、特にスコアに関しては納得いかず撤退する人もいます。
Uber Eatsに関しては、主に報酬が下がるという規約変更が定期的にやってきます。
これは下げ続けてもその金額でやる人がいる限り、更に下がり続けるでしょう。
各プラットフォームの規約変更で確実に言える事は、規約変更はドライバーにとって嬉しいと思う事はほぼ無いという事です。
アカウント停止のリスク
何か悪さをしたり、プラットフォームを傷つける様な行為でアカウント停止されるのはやむを得ない事です。
しかし一番恐ろしいのは、全く非がないのにアカウント停止されるケースもあり得る事だという事を把握しておきましょう。
PickGoでアカウント停止と言うのはあまり聞きませんが、AmazonフレックスやUber Eatsでは定期的に耳にします。
特にUber Eatsでは新料金体系で導入された「配達調整金」が出来てから理不尽にアカウント停止をくらったと言う話をよく聞きます。
一度アカウント停止になると復活は二度とありませんので、いつ停止されても食いっぱぐれがないように備える必要があります。
配送マッチングアプリの理想的な活用方法
軽貨物の仕事を配送マッチングアプリで行うメリット・デメリットを紹介してきましたが、ではどの様に活用していくのが理想的かを述べてまいります。
配送マッチングアプリに限らずですが、1つに依存するとアカウント停止などのリスクで死活問題にもなりかねませんので注意が必要です。
✅ 配送マッチングアプリのみで本業に
✅ メインのビジネスのつなぎのアイテムとして
上記の3つは実際に私が実践した方法ですので是非参考に真似してみて下さい。
軽貨物配送会社に所属しながら活用
私が軽貨物配送会社に所属してやっていた仕事の勤務時間は7:00~18:00で土日祝が休みでした。
よって使える時間は平日は19:00位から3~4時間と休日は日曜日だけ休んでそれ以外は8~12時間位の稼働を目安で!
まず平日は使える時間が3~4時間しかなく何をやるにしても中途半端な為、Uber Eatsで稼動。
もちろん軽貨物でのUber Eatsです。
そして休日は午前中Amazonフレックスを入て終了後にUber Eats。
午前中Amazonフレックスを入れられなかった場合、もしくはUber Eatsのクエスト事情次第では一日中フルでUber Eatsをやる。
もちろん疲れている日は適当に休みます。
これにより所属会社からもらう報酬とは別に月約13万程になりました。
Uber Eats便利過ぎです。
配送マッチングアプリのみで本業に
私が軽貨物配送会社を辞めてからはフルで配送マッチングアプリのみで本業として稼働しました。
Amazonフレックス、Uber Eats、PickGoの組み合わせで無駄な時間が発生しないように調整。
稼動は基本は月曜日を休みにして週6稼働です。
まずはUber Eatsで稼動して待機時間中に翌日以降のスケジュールを埋めます。
Amazonフレックスに関しては朝一か最終時間のみ入れてそれ以外の時間は常にUber Eatsでおいしい案件が発生した時のみPickGoを使う。
Uber Eatsの日跨ぎクエスト又は週末クエストの金額次第ではフルでUber Eatsをやる。
これで月40~70万位の稼ぎです。
メインのビジネスのつなぎのアイテムとして
私のメインのビジネスはあくまでWEB関連のビジネスで、事情があって今を生きる為に軽貨物配送をやっています。
よってフルで軽貨物配送をやり続けるとそれなりの稼ぎにはなりますが、いつまでたってもメインのWEB関連のビジネスが伸びません。
伸びないどころか下がって行きます。
という事でWEB関連のビジネスをメインにして、軽貨物配送は生活に必要な最低限の金額を確保する分だけ稼働するという目的に切り替えました。
この場合やはりメインはUber Eats、と言うよりUber Eatsだけで稼動。
稼ぎは30万達成した地点で終了し、残りの時間は本業にコミットする。
そして私は本業が上手く軌道に乗ったら軽貨物配送をやめると言う流れです。
まとめ
☒軽貨物配送のスマホの配送マッチングアプリとは?
荷主と軽貨物ドライバーをつなぐプラットフォームです。
★荷主は大手運送会社に依頼するより安く済ませたい!
★軽貨物ドライバーは軽貨物配送会社に所属しなくていいので取り分が大きくなる!
荷主にも軽貨物ドライバーにもメリットがあるが主導権はプラットフォーム運営者が握っている。
☒配送マッチングアプリで軽貨物の仕事をするメリット
・公正な報酬を得られる
・売上げの入金が早い
・自分の都合に合わせて仕事を決められる
・セルフブラックOK
☒配送マッチングアプリで軽貨物の仕事をするデメリット
・毎日仕事があるとは限らない
・常にスマホとにらめっこになる
・実績が重要になる
・規約変更が頻繁にある
・アカウント停止のリスク
☒配送マッチングアプリの理想的な活用方法
・軽貨物配送会社に所属しながら活用
・複数登録して組み合わせて本業にする
・メインのビジネスのつなぎのアイテムとして